ワンフットシーバスの田中さんと一緒にMicrosoft社のHololensから照明器具をDALIでコントロールする実験を行いました。
仕組み的には田中さんのブログに書いてあるとおり
照明器具のある現実空間にUnityでつくったスイッチやボタンをHoloLensでMixed Realityさせたうえで、Node-REDがスイッチやボタン操作時のオブジェクト名を元に、DALIのシーン操作IDを中継します。
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というものです。
HoloLensと照明API DALIの連携をしてきたメモ – 1ft-seabass.jp.MEMO
Hololensで照明を操作する様子
まずは、こちらの動画をご覧ください。
やっていることは、HololensのAR(拡張現実)の中に設置されたボタンを押すと、その情報がサーバーで稼働しているNode-REDに送られ、DALIで設定されたシーンが呼び出すコマンドがDALIネットワークに行き、現実空間にある照明器具が点灯したり消灯したり調光されたりするモノです。
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システムについて
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HololensとNode-REDが動くサーバー(Raspberry PI)、DALIのゲートウェイ、それぞれの機器の接続図です。
DALI Ethernet Gatewayが、LAN側とDALI側を結んでおり、HololensとNode-REDが動くサーバーはWiFiルーターを使ってLANで接続。照明器具類は、DALI電源を内蔵しているものは直接DALIラインを接続、持ってないものはLED電源と照明器具の間にDALI Dimmerを使っています。
↓Node-REDからDALIの照明を操作する仕組みについては、過去の記事をご参照ください。
DALIのGatewayとNode-REDを使った照明制御について
使用した照明器具について
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今回、8台の照明器具を10のDALIアドレスで設定しました。
ようやく日本でもDALIで制御できる照明器具が増えてきたので、工場や倉庫などで使える高天井用、店舗などで使えるダクトレールタイプのスポット、色温度を変えられる面光源の導光板、間接照明に使うテープライト、事務所などの既存器具の蛍光灯を置き換えてつかえる直管形LEDランプなどを用意しました。
この実験にあたり器具をご提供いただいた、フィリップスライティングジャパン合同会社様、コイズミ照明株式会社様、T&D Lightec株式会社様に感謝です。
器具一覧と設定したDALIアドレスはこちら。
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Light Guiding Plate(LGP) 導光板 調色タイプ : A0 A1
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T&D Lightech(旧 C&D Lightec)社のLumiSheet(ルミシート)という導光板(Lighting Guide Plate: LGP)で面発光ができる署名です。
エッジ部に3000Kと6500KのLEDが仕込まれているのでそれぞれの割合をコントロールすることで調色することができます。
こちらは定電圧(12V)なので電源と導光板の間にSunricher社のDALI Dimmerをいれており、3000Kと65000Kで合計2つのアドレスを割り当てています。(下写真)。

LEDスポットライト : A2 A3
コイズミ照明のDALI専用ダクトレールに、スポットライトA(XS44005L)とスポットライトA(XS44009L)を取り付けて使用しました。
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
DALI専用ダクトレールを使用すれば、電源と信号線をダクトレールに接続するだけで個々の器具へ配線は必要がないので施工がとても楽になります。
LED Tube (直管形LEDランプ): A4
定電流タイプの直管形LEDランプとDALI対応の電源を組み合わせた照明です。
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実験点灯のために蛍光灯のホルダーに取り付けています。長さは1200mmでオフィスや工場などでよく使われるFL40WやFHF32Wと同じ長さのLEDランプ。

色温度は昼白色とよばれる5000K。アドレスはA4を設定。DALI電源にはPhilips社のXitaniumを接続。
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LED Strip Light (テープライト) RGB : A5 A6 A7

オランダ KOLEDO(コレド)社のRGBテープライトです。
24V定電圧タイプLEDなので電源とテープライトの間に4アドレスのDimmerを使用。RGBテープライトで3アドレス、単色のテープライトで1アドレスをそれぞれ割り振っています。
24V定電圧LED用電源
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RED : A5
GREEN : A6
BLUE : A7
LED Strip Light (テープライト) 単色(4000K) : A8
オランダ KOLEDO(コレド)社の単色(4000K)テープライトです。
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先のRGBテープライトと同じ電源とDALI Dimmerを利用して1アドレスで制御しています。
High Bay
Philips社の高天井用DALI対応照明器具 GreenPerform Highbay Series (グリーンパフォーム ハイベイシリーズ)のLED110(85W/11,000lm)とLED200(155W/20,000lm)の2台を使用しました。
こちらの器具は主に、商業施設や工場、倉庫などで水銀灯などのLED化に利用されます。
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シーンの設定
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シーンはこのように設定。シーン0から3までは、100%,50%,10%,0%と調光をおこない、シーン11から15までは色温度が同じ器具を点灯するようにしました。
グループわけはしなかったので、DALIコマンドとしては全器具(Broadcast ALL)に対してシーンを呼び出すという方法にしています。
まとめ
今回は単純にHololensのAR上のボタンからDALIで設定したシーンを呼び出すことを行い、想定どおりの結果を得ることができました。
これを応用することで、AR上に存在するオブジェクトと現実世界の設備である照明が境界無く連携することができるので、エンタテインメント用途としてゲームと空間の照明を連携する用途はもちろん、たとえばビルの管理などで守衛が実際に現場を歩きながら、スイッチのある操作室にいかなくても、その場にある設備機器のOn/Offや調整などを、Hololensで表示されるAR上のパネルから操作をすることができます。
その他、ARと現実が境界なく連携することによって、いろんな可能性が見えてきますね。
ということで、引き続きいろんな実験をしていきます。