DALI TYPE8 CCTで色温度設定のコマンドを送る方法

DALI TYPE8調色タイプについて、どんなDALIコマンドを送るのかをMasterConfiguratorとDALI/Monitorを使って確認してみました。

使用したデバイス

Sunricher 定電圧タイプDALIコンバーター SR-2309Proに調色タイプのLEDテープライトを組み合わせました。

Sunricher (TYPE8)定電圧タイプDALIコンバータ: SR-2309Pro – スマートライト株式会社

MasterConfiguratorの画面

2022 04 13 14 01 43  1

まずはMasterConfiguratorを使ってDALI TYPE8 CCTデバイスのアドレスを設定します。

A0がTYPE8 CCTの器具です。

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ColorのタブでColor temperature rangeを変更できます。デフォルトでは2700K 〜 6500Kになっています。

DALIコンバーター(SR-2309Pro)につなぐ調色タイプのLEDの色温度によって、ここは調節します。

2022 04 13 14 00 03

Quick TestでColor Templatureのタブをひらきます。

DALI Monitorで確認

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この時、DALIモニターには次のようなコマンドが繰り返されています。

Query 01A0 QUERY ACTUAL LEVEL
 Anser 01   = 1
Special A302 DTR0=2
Special C108 ENABLE DEVICE TYPE8
AppExt DT8 01FA QUERY COLOR VALUE
 Anser 00 =0
Query 0198 QUERY CONTENT DTR0 
 Answer C8 =200

コマンド解析

0413 2022 04 13 14 14 34

上記コマンドを解析します。

UntitledImage

これは通常QUERY ACTUAL LEVELのコマンドで、明るさがDAPの値の1を返しています。

UntitledImage

最初の1byteのA3がSpecialコマンドで、そのあとの02がDTR0というレジスタに入れる値を指定します。

DRM004 Digitally Addressable Lighting Interface  DALI Unit Using the MC68HC908KX8 Designer  Reference Manual 2022 04 13 14 32 48

A3については、こちらの資料に紹介がありました。

DRM004, Digitally Addressable Lighting Interface (DALI) Unit Using the MC68HC908KX8 Designer – Reference Manual

0413 2022 04 13 14 47 00

C108はENEBALE DEVICE TYPE8で、TYPE8のコマンドを送るときのおまじないです。

0413 2022 04 13 15 04 28

QUERY COLOR VALUEというTYPE8のコマンドを送り、Anserとして0が返ってきています。

0413 2022 04 13 15 05 25

そのあとは0198というDTR0の値を取得するQueryがかかり、Answerとして200が返ってきました。

明るさ0、色温度5000Kの時

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明るさを0、色温度を5000Kにしてみました。

0413 2022 04 13 15 11 38

明るさはQuery Actual Levelの回答なので、これが0なのはわかりますが、色温度はどのような値になるのでしょう?

明るさ0、色温度3000Kの時

2022 04 13 15 38 53

明るさ0、色温度3100Kの時

2022 04 13 15 40 36

明るさ0、色温度4000Kの時

2022 04 13 19 56 39

DALI TYPE8 CCTの色温度の計算方法

DALI TYPE8 CCTでは、色温度をDTR0とDTR1の値を、それぞれLSB,MSBとして計算します。(IEC62386-209)

UntitledImage

microcontroller – DALI – DT8 – CCT Control command – Electrical Engineering Stack Exchange

「MSB」と「LSB」の違い|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典

詳しくかかれているのはこちらでした。

lighting – DALI 209 – Device Type 8 – CCT control – Electrical Engineering Stack Exchange

DTR0とDTR1からMiredという値を計算し、そこから色温度を出します。

Mired – Wikipedia

色温度3000Kの計算方法

たとえば、3000Kの場合、

QUERY COLOUR VALUE(DTR1) = 1 : MSB
QUERY CONTENT VALUE(DTR0) = 78 : LSB

まずは、Miredを計算

Mired = MSB * 256 + LSB = 256 + 78 = 334

ここから色温度を計算

Color Temperature = 1,000,000 / Mired = 1,000,000/334 = 2994

なので、約3000K。

色温度4000Kの計算方法

次に4000Kの場合

QUERY COLOUR VALUE(DTR1) = 0 : MSB
QUERY CONTENT VALUE(DTR0) = 250 : LSB

Mired = 0 + 250 = 250

Color Temperature = 1,000,000/250 = 4000

となります。

色温度からDTR0(LSB)とDTR1(MSB)の計算方法

まずは、色温度からMiredを計算

3000Kの場合

Mired = 1,000,000/T = 1,000,000/3000 = 333.3

次にMSBとLSBを計算

MSB = Mired / 256 = 333.3 / 256 = 1.3 => 1

LSB = Mired – MSB*256 = 333.3 – 1*256 = 77

という感じです。

DALI Monitorで色温度変更のコマンドを確認

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こちらがDALI Monitor確認した色温度を3000Kに設定するときのコマンド。

DTR1とDTR0にそれぞれMSBを代入して
ENABLE DEVICE TYPE8
SET TEMPORARY COLOR TEMPERATURE Tc
ENABLE DEVICE TYPE8
ACTIVATE

というコマンドを送っています。

まとめ

DALi TYPE8の調色について、色温度を送るDALIコマンドを確認してみました。

次回はNode-REDからこのコマンドを送り、実際に色温度が変わるのかを確認してみます。

ABOUT ME
中畑 隆拓
スマートライト㈱ 代表取締役。IoTソリューションの開発、スマートホーム&オフィスのコンサルティング、DALI,KNX,EnOceanなどのインテグレーションを行っています。

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