DALI TYPE8調色タイプについて、どんなDALIコマンドを送るのかをMasterConfiguratorとDALI/Monitorを使って確認してみました。
使用したデバイス
Sunricher 定電圧タイプDALIコンバーター SR-2309Proに調色タイプのLEDテープライトを組み合わせました。
Sunricher (TYPE8)定電圧タイプDALIコンバータ: SR-2309Pro – スマートライト株式会社
MasterConfiguratorの画面
まずはMasterConfiguratorを使ってDALI TYPE8 CCTデバイスのアドレスを設定します。
A0がTYPE8 CCTの器具です。
ColorのタブでColor temperature rangeを変更できます。デフォルトでは2700K 〜 6500Kになっています。
DALIコンバーター(SR-2309Pro)につなぐ調色タイプのLEDの色温度によって、ここは調節します。
Quick TestでColor Templatureのタブをひらきます。
DALI Monitorで確認
この時、DALIモニターには次のようなコマンドが繰り返されています。
Query 01A0 QUERY ACTUAL LEVEL Anser 01 = 1 Special A302 DTR0=2 Special C108 ENABLE DEVICE TYPE8 AppExt DT8 01FA QUERY COLOR VALUE Anser 00 =0 Query 0198 QUERY CONTENT DTR0 Answer C8 =200
コマンド解析
上記コマンドを解析します。
これは通常QUERY ACTUAL LEVELのコマンドで、明るさがDAPの値の1を返しています。
最初の1byteのA3がSpecialコマンドで、そのあとの02がDTR0というレジスタに入れる値を指定します。
A3については、こちらの資料に紹介がありました。
C108はENEBALE DEVICE TYPE8で、TYPE8のコマンドを送るときのおまじないです。
QUERY COLOR VALUEというTYPE8のコマンドを送り、Anserとして0が返ってきています。
そのあとは0198というDTR0の値を取得するQueryがかかり、Answerとして200が返ってきました。
明るさ0、色温度5000Kの時
明るさを0、色温度を5000Kにしてみました。
明るさはQuery Actual Levelの回答なので、これが0なのはわかりますが、色温度はどのような値になるのでしょう?
明るさ0、色温度3000Kの時
明るさ0、色温度3100Kの時
明るさ0、色温度4000Kの時
DALI TYPE8 CCTの色温度の計算方法
DALI TYPE8 CCTでは、色温度をDTR0とDTR1の値を、それぞれLSB,MSBとして計算します。(IEC62386-209)
microcontroller – DALI – DT8 – CCT Control command – Electrical Engineering Stack Exchange
「MSB」と「LSB」の違い|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
詳しくかかれているのはこちらでした。
lighting – DALI 209 – Device Type 8 – CCT control – Electrical Engineering Stack Exchange
DTR0とDTR1からMiredという値を計算し、そこから色温度を出します。
色温度3000Kの計算方法
たとえば、3000Kの場合、
QUERY COLOUR VALUE(DTR1) = 1 : MSB
QUERY CONTENT VALUE(DTR0) = 78 : LSB
まずは、Miredを計算
Mired = MSB * 256 + LSB = 256 + 78 = 334
ここから色温度を計算
Color Temperature = 1,000,000 / Mired = 1,000,000/334 = 2994
なので、約3000K。
色温度4000Kの計算方法
次に4000Kの場合
QUERY COLOUR VALUE(DTR1) = 0 : MSB
QUERY CONTENT VALUE(DTR0) = 250 : LSB
Mired = 0 + 250 = 250
Color Temperature = 1,000,000/250 = 4000
となります。
色温度からDTR0(LSB)とDTR1(MSB)の計算方法
まずは、色温度からMiredを計算
3000Kの場合
Mired = 1,000,000/T = 1,000,000/3000 = 333.3
次にMSBとLSBを計算
MSB = Mired / 256 = 333.3 / 256 = 1.3 => 1
LSB = Mired – MSB*256 = 333.3 – 1*256 = 77
という感じです。
DALI Monitorで色温度変更のコマンドを確認
こちらがDALI Monitor確認した色温度を3000Kに設定するときのコマンド。
DTR1とDTR0にそれぞれMSBを代入して
ENABLE DEVICE TYPE8
SET TEMPORARY COLOR TEMPERATURE Tc
ENABLE DEVICE TYPE8
ACTIVATE
というコマンドを送っています。
まとめ
DALi TYPE8の調色について、色温度を送るDALIコマンドを確認してみました。
次回はNode-REDからこのコマンドを送り、実際に色温度が変わるのかを確認してみます。