DALI対応の器具を探している際、TYPE6とかTYPE8といったものを目にしたことはありませんか?
最近、光が人に与える研究が進んだことやLEDが普及して調色(色温度を制御すること)やフルカラーの照明器具が舞台照明以外でも使われ始めたことで、DALIでもそういった照明器具をコントロールする必要性が求められ規格化されたのがTYPE8と呼ばれるものです。
2001年にDALIマニュアルをみてみると当時はTYPE0が蛍光灯電子安定器だった
DALIは元々蛍光灯電子安定器の調光規格でした。下記のリンクから2001年度のDALIのマニュアルがDALI AGのサイトからダウンロードできるので見てみてください。
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このマニュアルの23ページに「4.5 Selection of units」という項目でTYPEの説明があります。

(翻訳)
DALIの規格は安定器ごとの互換性が考慮されているので、センサーやコントローラーなども含めて設計者が互換性を心配せずに使うことができます。また、この規格はユニットごとに次のタイプで設定されています。
TYPE 0 スタンダードユニット(蛍光灯の電子安定器のこと)
TYPE 1 非常用照明
TYPE 2 放電灯
TYPE 3 ローボルテージ(12V)のハロゲンランプ
TYPE 4 白熱灯の調光器
TYPE 5 1-10V調光器のコンバーター
TYPE6 〜 255は未来のユニットのために用意しています。
(翻訳ここまで)
TYPE 6とTYPE 8はなんのこと?
上記は2001年のものでしたが、現在はTYPE8までのユニットが設定されています。
このTYPE6から8までが何なのかを調べる為にTridonic社のMaster Configratorをつかってみましょう。
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メニューのToolsからCommand administratorをを立ち上げると

このような画面になります。赤い四角の中に「Devicetype 6 – LED」となっていますよね。 ここで「 6 – LED 」の右の▼をおしてみましょう。

ドイツ語なのでわかりにくいですが、TYPE1から5まではDALI AGのマニュアルに出てたのと同じようです。
TYPE 6 LED
TYPE 7 Schaltfunktionen
TYPE 8 Farbsteuerung
TYPE 6はLEDでよさそうですが、TYPE7と8はなんでしょう?
Google翻訳してみると
TYPE 7 Schaltfunktionen → スイッチング機能
TYPE 8 Farbsteuerung → カラーコントロール
という意味でした。
以上をまとめると、
TYPE 0 スタンダードユニット(蛍光灯の電子安定器のこと)
TYPE 1 非常用照明
TYPE 2 放電灯
TYPE 3 ローボルテージ(12V)のハロゲンランプ
TYPE 4 白熱灯の調光器
TYPE 5 1-10V調光器のコンバーター
TYPE 6 LED
TYPE 7 スイッチング機能
TYPE 8 カラーコントロール
ちなみに、DT6とかDT8という表記されていることもありますが、
DT → Device Type
のことなので、DT6は、Device TYPE6のLED、DT8は、Device Type8のカラーコントロールのことで、それぞれTYPE6とTYPE8と同じ意味です。
TYPE6とTYPE8の違いは?
次にTYPE6とTYPE8の違いを説明します。
以前の記事で、DALIのコンバーターとRGBと単色のテープライトを接続する様子を紹介しました。

この時に使ったのが、TYPE6 LEDのコンバーターなので、 RGB+単色で合計4つのDALIのアドレスを割り当てています。

これ、1個で4つのアドレスをもつコンバーターを使っていますが、Red,Green,Blue,単色の4つのTYPE6のLED器具があるのと同じことなんです。

↑ 上の写真はSunricher社のTYPE6のコンバーターSR-2303B。アドレスは4つもっています。

↑ こちらが、新しくSunricher社から出たTYPE8のコンバーター SR-2309FA-RGBWです。
SR-2303Bと同じようにRGBとWhiteの4色のLEDを接続することができますが、TYPE8だとこの4色がアドレス1つで制御することができます。

TYPE8 カラーコントロールの必要性
照明もRGBWでカラーコントロールしたりサーカディアンリズムを考え時間によって色温度を変更(調色)することが、空間で求められています。
フルカラーコントロールといえば舞台照明などで使われているDMXの器具がありますが、シーンの切り替えやセンサー、他の設備などとの連携を考えるとDALIの方が低コストで実現できます。
ただし、ひとつのDALIネットワークでは64アドレスまでしか使えないので、器具1台で4つのアドレスを使ってしまうとあっという間に64アドレスを使い切ってしまいます。
なので、これから調色やフルカラーの照明器具はDALIで使う場合、TYPE8で使うことが必須になってくるでしょう。
まとめ
本日、コイズミ照明さんのプライベート展示会とセミナーに参加してきました。そこで光が人に与える影響を踏まえてオフィスでの生産性への照明を使った貢献方法や、より豊かな暮らしをするためにどんな光にするべきか?といったテーマについてコイズミ照明さんの製品や取り組みを紹介していました。
数年前まではLEDの性能による【省エネ】が大きな話題でしたが、これからは【人と光】について様々な方向からあり方が求められていきます。
その中でポイントになるのが【最適な光】であり、それは静的ではなく動的で、しかも様々な状況を元に導き出されるものになるので、今まで私達照明業界の人間が対応してきた次元を遥かに超えるものになるでしょう。
DALIのようなオープンなプロトコルで照明を制御できるようにするということは、いずれ、照明制御の主導権が自分たちからもっと別の大きな存在からでもできるようになる、逆らうことのできない時代の流れなのではないでしょうか。