国内では設備制御にModbusが多く利用されていますが、ヨーロッパを中心に広がっている設備制御のKNXについて、Modbusとどこが違うのかをまとめてみました。
Modbusをよく知らないので、もし間違っていることがありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
ModbusとKNXの違い
- 機能的には家庭やビルのスイッチも工場のスイッチもどちらでも制御できますが、modbusのスイッチには機能性を重視したものが多く、KNXのスイッチにはデザイン性を重視したものが多いです。
- Modbusは歴史があるため、多数の機器が存在する。とりあえずModbusにしておけばという安心感がある。
- ModbusはIP(Modbus/TCP)もありますが、メジャーなRS-485のツィストペア伝送(Modbus/RTU)は機器も工材も相対的に安価であり良く使われる。開発するのも簡単で、KNXのようにスタックなどは不要。
- Modbusでは工事後の設定やコミッショニングは面倒で問題も起きやすい。これはModbusが基本的にアドレスを指定してデータを読み書きするだけのプロトコルで、データの型や配置はメーカーが勝手に決めるので、全ての接続機器の仕様を確認しながら設定が必要なため。
- Modbusはmaster/slave伝送であり、KNXの様な自立分散方式の伝送とは異なる。従って制御や連動の論理はmaster機器で行う。
- Modbusは伝送路の終端が必要だが、KNXは不要。細かい違いだが以外と面倒で問題を起こしやすい。
- ModbusはKNXの様な認証スキームはない。当然KNXの方が相互接続性が良く、信頼性も勝る。
- KNXの伝送路は電圧重畳されているが、Modbusは別電源。
- ModbusにはETSの様な統一されたツールはない、と言うか不要。工事の時のテストとかには一般的なツールを使用したりする。