初心者の為のKNX-DALIによる照明講座という記事があります。
初心者の為のKNX-DALIによる照明制御講座 – スマートライト株式会社
また、下記の資料もぜひご覧ください。
2018年3月にドイツのフランクフルトで開催された「Light + Building」に行って、KNXは確実に日本にやってくると確信しました。
理由としては、今までは閉じたネットワークの中で設備の状態監視や制御が完結していましたが、昨今、様々なセンサーやクラウドのデータ、さらにはAIの判断によってくだされた設備稼働の最適な状況などを反映させることが求められる時代になってきており、その時に各設備の共通言語として利用できるものとして、KNX以外の選択肢となるものが「Light + Building」の展示会に行って見つからなかったためです。
それだけでなく、この展示会の中でもKNXがもっとも力をもった存在としてありとあらゆる場所でKNXのロゴが視界に入り、影響力の高さやそのネットワークやビジネスの巨大さを肌で感じてきました。
現在の日本ではKNXビジネスのボリュームはごくわずかですが、この時代の流れには逆らうことはできず、設備制御の標準として日本でもKNXが普及されると予測しています。
ただし、KNXについてはDALIと同じように日本語での情報が少ないので、これからこのブログで「KNXをはじめよう」という記事をアップしていこうと思います。
*4月に六本木AXISで開催されたあかりサロン26「Light Design Control・2018欧州照明展示会最新レポート」にて、現地で感じたKNXの勢いを紹介しました。
当日の資料はこちらにアップしています。
まずは第1回として「KNXとは何か?」についてご紹介します。
KNXとは
KNXと書いて「ケー・エヌ・エックス」とよみます。
とっても簡単に言うと、KNXはビルの設備やセンサーなどをメーカーに縛られずにひとつのシステムの中で制御する仕組みです。
例えば会議室でプレゼンテーションモードに切り替えるシステムを考えてみます。
プレゼンテーションモードにすると、照明が調光され10%になり、そとからの光を遮る為にブラインドが降りて、プロジェクター投写用のロールスクリーンが降りてくる状態になるとします。
これらを通常時とプレゼン時にてまとめたのが下記の表です。
設備 | 通常時 | プレゼン時 |
---|---|---|
照明 | 100% | 10% |
ブラインド | 最上部 | 最下部 |
ロールスクリーン | 収納 | オープン |
さて、こういったことをやろうとした際、一般的には会議室の設備制御を請け負う企業に依頼することになると思います。
そうすると、後からそのシステムに新しい設備を追加したり、シーンを変更したいという場合や、なにか不具合があって修理が必要なときも、最初に依頼をした企業にお願いせざるおえません。
最初に選定するときは競合があったので価格交渉の余地はありましたが、一度入れてしまい、さらにその企業しかシステムの変更や修理ができないとなるとコストは高くなりがちです。
それだけでなく、もしその依頼した企業がなくなってしまった場合、修理や変更をできる会社を見つけることやそのコストはかなり厳しいものがあります。
でも、もしKNXのシステムを使って会議室のプレゼンテーションシステムをつくっていればどうなるでしょう?
答えは、新しい設備を追加するのもシーンを変更するのも不具合があって修理が必要な場合も、最初に依頼した企業だけでなく他にKNXの技術者がいる企業に依頼することを検討できます。
つまり、1社に縛られません。
今回、会議室でプレゼンテーションモードを呼びだすシステムについて紹介しましたが、これがビルまるごとの制御システムだった場合、予算感もまったく変わってくるでしょう。
KNXはビル制御の国際標準規格
KNXの一番の特長は、仕様が国際標準になっており、そして公開されていること。
具体的に国際標準のISO/IECだけでなく、欧州、中国、米国の標準規格の承認を受けています。
- 国際標準 : ISO/IEC 14543-3
- 欧州標準 : CENELEC EN 50090、 CEN EN 13321-1および13321-2
- 中国標準 : GB/T 20965
- 米国標準 : ANSI/ASHRAE 135
まとめ
以上、「KNXとは?」について、会議室でプレゼンテーションのシーンを切り替えるシステムを例にしてご紹介しました。
次は、設備制御の中でも重要な「相互接続性(インターオペラビリティ)」について紹介する予定です。
KNXについて、なにか知りたいことや質問、こんなことについて取り上げてほしいといったことがある場合、以下の問い合わせフォームからお気軽に連絡ください。