最近なにかと話題に出るDALIの次のバージョンDALI2。
DALIの規格を決めているDigital Illumination Interface Alliance(DiiA)では、下記のページにてDALIとDALI2の比較説明をしていますが英語ですので、今回、私の方で翻訳をしてみました。
comparison – Digital Illumination Interface Alliance
もし、不足や間違いなどありましたら、ご指摘いただけると幸いです。
また、PDFの資料はSlideShareにてアップしてあります。
概要
DALIプロトコルは、1990年代後半に最初に作成され、進化するにつれて多くの改訂が行われました。 結果は、DALI-2として知られるDALI標準IEC 62386のバージョン2です。
DALIの重要な原則は相互運用性であり、DALI-2は元の標準のギャップを埋めるのに役立ちます。 DALI-2は新しい機能を追加し、下位互換性を維持しながら、最近追加された入力デバイスを含む制御デバイスの標準化を導入します。
DALI-2と相互運用性
DALI-2認定は、市場にある現在のDALI(バージョン1)システムと比較して、マルチベンダーの相互運用性を大幅に改善する見込みがあります
DALI-2のテスト手順は、DALIバージョン1よりもはるかに詳細で包括的なものであり、新しい問題が特定された場合はさらに改善されます。
DiiAは定期的なプラグフェストを開催します。これは、メンバー企業が自社製品と他のメーカーの製品との相互運用性をテストできるイベントです。
ちなみに、上記で出ているプラグフェストとは、
USBやPCI Expressなどの高速インタフェースの公式試験や相互接続性試験がプラグフェストと呼ばれています。これらの規格では、市場に出される製品が確実に動作する(お互いに通信できる)ことを検証するために、それぞれの規格を主管する団体が主催する性能確認の場のことです。
↓ 引用元
プラグフェスト体験記(その1) : キーサイトエンジニアブログ
DALI-2と相互運用性
DALI-2認定は、市場にある現在のDALI(バージョン1)システムと比較して、マルチベンダーの相互運用性を大幅に改善する見込みがあります。
DALI-2のテスト手順は、DALIバージョン1よりもはるかに詳細で包括的なものであり、新しい問題が特定された場合はさらに改善されます。
DiiAは定期的なプラグフェストを開催します。これは、メンバー企業が自社製品と他のメーカーの製品との相互運用性をテストできるイベントです。
プラグフェストは、テストシーケンスの検証とさらなる改善も可能にします。
DALI-2認定とDALI v1登録の比較
コントローラー用のDALI-2
DALI-2には初めてコントロールデバイスが含まれます。
コントロールデバイスは、DALI標準のv1には含まれていませんでした。つまり、コントロールデバイスがDALI v1ロゴをつけることはできません。 DALI-2ロゴを表示できるのは、認定製品のみです。
コントロールデバイスに対するDALI-2の利点
- アプリケーションコントローラーと入力デバイスが定義された
- シングルマスターとマルチマスターが許可された
- イベントの優先順位が定義されています
- コントローラーからアドレッシングとグルーピングを分離
コントローラーおよびバス電源用のDALI-2
DALIとDALI-2の混合システムの場合
次のガイダンスは、DALI-2製品とDALIバージョン1製品が混在するシステムに適用されます。
最初に、製品のDALIまたはDALI 2商標を探します
- DALI-2より前の制御デバイスはメーカー独自のものであり、DALIバージョン1商標の使用は許可されていません。
- DALI-2以前のバス電源のテストはなかったため、DALIバージョン1商標の使用は許可されていません。
まとめ
DALIは規格がオープンでメーカーが違っても同じように制御できるといわれつつも、実際の現場では、うまく動かないケースがありました。
今回のDALI2でもっとも重要視されているところは【相互運用性】で英語で言うinteroperability(インターオペラビリティ)のところです。
その為、DALI2ではDiiAにて機器のテスト結果を認証したり、DiiA側でプラグフェストよばれるイベントを開催し各社の機器が相互に正常動作することを確認するようになりました。
なによりも、従来のDALIバージョン1では仕様として決められなかったコントローラーが含まれたことにより、個々のメーカーによる拡張コマンドに起因するトラブルはなくなりそうです。
今後、照明が照明だけにとどまらず外部の様々なシステムと連携して制御されるようになると、照明を制御する方式をAPIの仕様としてとりまとめる必要があり、その部分もDALI2ではDiiA側で決めてもらえるようです。
時代的には、設備制御は専用の信号線をつかったネットワークから個々のデバイスがもつIPに直接アクセスする流れです。参考 KNX IoTで触れられたFairhair Allianceとは何か?
個人的なイメージですが、DiiAのサイトから大きな時代の変換に対して柔軟に対応していこうという姿勢が伺えます。
設備の中では圧倒的に数量のある照明という存在が、新しい技術とつながりDALIで自由に制御されることによって、今後の私達の生活がどのように便利になっていくのか、とても楽しみですね。