ここのところDALIが話題になっていく中で、DALIを始めるには何から始めればいいのか?と相談を受けることが増えてきました。
私自身、株式会社モイスライティングの佐々木さんに勉強会でDALIの話をきいたのは今から7年前の2010年だったのですが、DALIに興味をもっていたものの、それから何年もの間DALIをするにはどうしたらいいのかはわかりませんでしたし何もできていませんでした。
転機となったのは2015年。実際にDALIの照明器具やコンフィグレーターなどを入手して自分の手で設定をしたり機器をつなげたりしてから、ようやくDALIで照明を制御するには何が必要でどんなことをしなければいけないかが理解できました。
そういった経験から「DALIの勉強をしてみたい」と相談にこられた方には、実際に自分でDALIの機器をいじって理解するためにサンプルを購入することをおすすめしています。
今日はDALIを始めるにあたってそろえておくべき機器について紹介してみたいとおもいます。
DALIをはじめるにあたって揃えておくべき機器とは
揃えておくべき機器は下記の4点。DALI電源、DALI照明器具、コンフィグレーター、そしてWindowsPCです。
- DALI電源
- DALI照明器具
- コンフィグレーター
- Windows PC
DALI電源(Power Supply Unit)
まずはこちら、オランダPHILIPS社が2008年に作成した「Introduction to DALI」の資料の1枚をご覧ください。DALIの仕組みについて説明されています。
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DALIの信号は0と1の組み合わせのデジタル信号です。

このようにDALIの信号線に16Vの電圧がかかると1というデータで、

電圧がかからなくなると0というデータがおくられていることになります。
このネットワーク上に電圧をかけるための機器が必ず必要で、それがDALI電源、もしくはDALI Power Supply Unit (PSU)などと呼ばれたりします。
↓ こちらは、iLumTech社のDALI電源
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DALI照明器具
DALIで制御できる照明器具です。
先日の記事(2017年6月現在 国内で入手できるDALI照明器具メーカー一覧)で紹介したように、コイズミ照明、PHILIPS、アイティーエル、DNライティングさんなどが照明器具を販売しておりますが、DALIのシーンやグループなどの機能を実験するには、器具が複数台あった方がいいので、私のオススメは定電圧電源+DALIコンバータ+RGBWテープライトの組み合わせです。
こちらは、Sunricher社の定電圧タイプ DALIコンバータ SR-2303。
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接続は下の図のとおり、LEDテープライト用の定電圧電源から24V(12V)の出力をこのコンバーターに入力し、出力をLEDテープライトにつなぎます。
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このSR-2303は4アドレスもっているため、出力も4箇所(マイナス)あるので、テープライトのRGBWをそれぞれつなぐと、このセットだけで4つのDALIのアドレスをつくることができます。
つまり、DALI照明器具を4台用意して、グループやシーンの設定などする場合、通常のDALI照明器具は4台必要になりますがこの組み合わせだと1セットだけで済むということなのです。
DALIコンフィグレーター
DALIの設定には、機器にアドレスやグループ、シーンなどをDALI機器に書き込む必要がありますが、PC上のコンフィグレーションソフトウエアの情報を、DALIのネットワークに流すための機器がDALIコンフィグレータになります。
一番のおすすめは値段がちょっと高いですが、Tridonic社のDALI USBという商品。
こちらは、DALIコンフィグレータだけでなく、DALIのネットワークにどんな信号が流れているかを確認するためのDALI Monitorというソフトも使えます。
DALI機器を接続したけどうまく動かないという時にはこのDALI Monitorが必須になるので、ここは無理をしてでも購入することをおすすめします。
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他にもいくつかコンフィグレータがあるのですが、それについては検証して記事を書こうと思っています。
Windows PC
先程紹介したTridonic社のDALI USBもそうですが、私が調べた限りMacで使えるコンフィグレータはなかったような。また、USBで接続すると認識しなかったりするので、Mac上でWindowsを走らせることもあまりおすすめしません。
なので、Macしかもっていない人はWindows機を買ってください。
ケーブル類や加工機器
DALIをはじめると、電源線や信号線などをたくさんつなぐ作業が発生します。
なので、ケーブル類や端子加工工具などがあるととても便利です。弊社にご注文いただければ、その辺のケーブル接続や加工をおこなってから納品することも可能なのでご相談ください。
まとめ
以上、DALIを始めるにあたって揃えておくべきものをご紹介しました。
照明制御は経験がなければ、いくら本や取説を読んでもなかなか理解できません。さらに照明器具はこの後、別の設備やネットワークのソフトウエア側からも制御されるようになるので、実際に手を動かしながら、なぜ動かないのか?などの困難を乗り越えて経験値を上げることが絶対に必要です。
私自身、DALIの照明制御経験がゼロの状態から、ようやく最近はいろんなことがわかるようになりました。
なので、DALIについてもっと知りたいと思ったら、ぜひ、気軽にご相談ください。