DALIの中で人感や照度などのセンサー類はまだ規格がきまっていない為、メーカーのコンフィグレーターソフトを使わないと設定ができないといった問題がありました。
私も誤解していたのですが、この言い方は正しくなくて、メーカーのコンフィグレーターソフトを使えば簡単に設定できるけど、そうでない場合は直接コンフィグレーションのDALIコマンドを送る必要がある。といったことでした。
実は2015年にイギリスのCP Electronics社のセンサーのデモ品をいただいたのですが、当時の知識では使うことができず、そのまま放置状態でした。
https://www.cpelectronics.co.uk/
今回、DALIコマンドをある程度理解したことで、あらためてこのセンサーの設定ができるかどうかを試してみます。
CP Electronics EBDSPIR-DNET1
これから検証するセンサーです。イギリスのCP Electronicsという会社の「EBDSPIR-DNET1」という製品です。
DALI BUSからの給電で動作するので、DALI信号線をつなげれば別途電源供給する必要はありません。
接続
EBDSPIR-DNET1をDALIのラインに接続します。
接続すると、センサー内の赤いランプがついたり消えたりします。これはセンサーが反応すると赤く光るような感じです。
次に、MasterConfigratorで接続
まずは、アドレッシングウイザードをはしらせます。
すると、A10(アドレス10)にUnknownというデバイスが見つかりました。
Device Informationには全てがUnknownになっています。
とりあえず、Unknownから名前をPIR_Sensorに変更します。
DALIコマンドをおくってみる
Command administoratorツールから、「Query 153, Query Device Type」というコマンドをおくります。
Where to | Info |
---|---|
A10 | Query Device TypeL |
10 | 153 |
すると、レスポンスで128という値が返ってきました。
Response 128 (80 hex)
製品マニュアルにも、128が返ってくると書いてあるのでこれは正常な反応のようです。
でも、この128という数字の意味が知りたくて、Device Typeで返ってくる数字の一覧などをさがしていたのですが、以前の記事で書いた範囲のことはわかったのですが、10を超える値が何なのかはわかりませんでした。
た下記のサイトにて128がPIRのDeviceTypeという記載があったので、どこかにココらへんのデータはありそうです。
他のコマンドも試してみます。
Where to | Info |
---|---|
A10 | Recall Max Level |
10 | 05 |
これを実行すると、センサー内の緑色のLEDが点灯しました。
次に、Recall Min Levelのコマンドをおくります。
Where to | Info |
---|---|
A10 | Recall Min Level |
10 | 06 |
緑色のランプが消えました。
センサーの設定はどうしたらいい?
人感センサーなので、センサーが反応したら、指定したグループのシーンを呼び出すといった設定ができると思ったのですが、マニュアルの中には具体的にそれを説明しているところがありません。
Query 160, Query Actual Levelにかかれていることが、どうもそれっぽいような感じがします。
Query 160, Query Actual Level
MSB of response is 1 for occupied (not timed out), 0 for occupied (timed out) – see Query 241 and Command 252 for timeout value.
7 LSBs represent 0 to 1000 lux in 7.8 lux steps, linearly. The value used is an average of the last 8 samples taken 0.1 second apart. To convert it to 7 bits from 10 bits, it is multiplied by 10 then divided by 78, then limited to 127.
略語が何を意味するのかわからず、理解できなかったのですが、「MSBとLSB」というのはどうやらデータのビットの状態のことを指すようです。
MSB = most significant bit
LSB = least significant bit
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%B8%8A%E4%BD%8D%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88
そういえば、製品の説明に下記の文章がありました。
The EBDSPIR-DNET1 is a combined passive infrared (PIR) motion sensor and photocell designed to be part of a DALI network.
Functioning as a presence detector, the unit returns occupancy data to the DALI network. The photocell provides a lux level measurement value to the DALI network.
For a copy of the DALI ‘Command set’, contact CP Electronics’ technical support.
この中で、「the unit returns occupancy data to the DALI network.」とかかれているので、人感センサーが反応すると、先程のMSBやLSBにビットで状態がおくられるようです。
ただ、ここからどうすすめていいかわからないので、一旦ここまでで終了。
引き続き調査します。
まとめ
DALIの人感・照度センサーは、DALIのネットワークにつなげることで、DALIのネットワークだけで周りの環境をフィードバックさせて照明シーンをコントロールすることができます。
ただし、難点はメーカーによって設定方法やツールが違うところで、標準化されていないことでなかなかとりかかりにくいところとなっています。
センサーはCP Electronics以外にもiLumTech製のものがあるので、iLumTech製のコンフィグレーターを使ってセンサーの設定を行うさいに、どんなコマンドがながれているのかをDALI Monitorを使って確認してみると、センサーを設定する方法のひとつの流れがわかり理解ができそうです。
次はそっちからやってみます