日本国内の電源メーカー京都のサンエー電機株式会社から新しくDALI対応電源が発売されました。
新製品は定電流で300〜750mAの34Wタイプと1,000〜1.5mAの90Wタイプの2種類。どちらも、発注時に電流値を指定し後からは変更できないタイプです。
この度、サンエー電機様から34Wタイプ(500mA)のサンプルを1台いただいたのでご紹介したいと思います。
タイプ | 出力電圧 DC(V) |
出力電流 (A) |
---|---|---|
34W | 25〜45 | 0.3〜0.75 |
90W | 30〜60 | 1.0〜1.5 |
外観
長さ:252mm
横幅:70mm
高さ: 52mm
重さ:500g
(34Wタイプ)
となっています。
片側に入力電源用端子台とDALI信号線の端子台があり、反対側にLEDに接続する出力線が出ています。
また、本体が床面から離れる仕様になっており別置きが可能です。
端子台・2次側電線
電源とDALI信号線入力部分の端子台は、
電源 : Φ1.6〜2.0 単線専用
DALI信号 : φ0.9〜1.2 ECO-CPEE(CPEV)線
に対応しており、どちらも送りがついているので使いやすいタイプです。
2次側はケーブルとなっており、サンプル品は30cmの長さでした。
その他
屋内用途ということもあり、中は充填されておらず重量は500gの軽さです。
製品のラベルはこんな感じ。
コンフィグレーションソフトでDALIの確認
動きを確認するため下記の構成でDALIのシステムを組んでみました。
① PC
設定ソフト MasterConfiguratorを動かします。
② Tridonic DALI/USB
MasterConfigratorを使うための製品です。
PCとUSB接続し、DALIの信号線をつなげます。
③ Sunricher DALI BUS電源
DALIのネットワークをアクティブにするために必要なDALI BUS電源です。
④ PHILIPS Foltimo
PHILIPS社のLEDモジュールです。
⑤ サンエー電機 DALI電源
今回ご紹介しているDALI電源です。
DALI機器はこちらで販売しています。
アドレッシング
アドレッシングが終わったところ。LED(TYPE6)で認識されました。
Device Information(デバイス情報)
こちらがDeviceInformationです。コンフィグレーションソフトがTridonic社なのでここは正しくでなくて当たり前なのですが、DALI versionは2.0と表示されました。
Basic configuration(基本設定)
基本設定の画面。
右下に”Physical lower limit : 1.0%”となっており、この電源の調光の下限値は1.0%となります。
LED
こちらで調光カーブをlogarithmic(ロガリスミック:対数)にするかlinear(リニア)にするかを選んだり、フェードタイムを設定します。
Status(ステータス)
DALIの電源は起動したときの設定や現在の状態などの情報をもっております。こちらのStatusの画面でそれを確認できます。
動画
調光している様子の動画です。
カチカチ音がするのは、マウスをクリックして明るさのレベルを上げているからです。
まとめ
国内の電源メーカーとしては、村田製作所、新潟電子工業(旧シャープ新潟)に続いて3社目となるサンエー電機からのDALI電源が発売となりました。
別置き型として、入力側の電源端子台がΦ1.6〜2.0に対応していたり送り端子もあるので、国内外問わずこれまでのDALI電源で対応できていなかったところが使いやすくなっているのが特長。
出力電流値の変更はユーザー側ではできませんが、物件などで使う場合はサンエー電機の出荷時に電流値を設定してもらえば、その後に変更することはないので、この部分は特にデメリットにはならないでしょう。
照明器具メーカーがDALI器具の開発にイマイチ乗り気にならない理由のひとつとして、国内の電源メーカーしか使いたくないといった理由もありましたが、今後はサンエー電機を含めDALI電源のラインナップが増えていけば、DALI器具開発のひとつのハードルが下がっていきそうです。
サンエー電機のDALI電源に、これからも期待しています。