Philips Hue(ヒュー)は信号線を使うことなく無線で各ランプをフルカラーでコントロールでき、設備用のフルカラーLED照明器具に比べると価格も安い為、ここ最近はとても売れているようです。
しかし、個人のレベルで使う分には問題がないのですが、これを客先に納品するといったケースの場合、ブリッジのファームウェアやスマートフォンのアプリ、さらにはOSのアップデートなど、今まで照明業界で製品を販売してきたモノからすると全く経験の無い要因によって現場でランプが着かない、操作ができない、なんかおかしい、といった問題が発生します。
昨日の記事にてNode-REDからPHILIPS Hueを操作する方法について紹介いたしましたが、今回新たに、HueとDALIをNode-REDを使って同時にコントロールする実験に成功しましたので紹介します。
どんなか?
まずはこちらの動画をご覧ください。
ポイントとしては、iPad上のボタンを押すことで、HueのランプとDALIで制御されたLEDテープライトが同時に点灯と消灯できるところです。
仕組み
ざっくりと仕組みを説明すると、
1. Node-RED上でインジェクションボタンを押す
2. DALI用のfunctionノードとPhilips hue用のテンプレートノードそれぞれにmessageを送る
3-1. DALI用functionノードはmessageを確認し、”id1″ならTCPノードに”#255,5″を”id2″なら”255,0″のmessageを送信。
3-2. TCPノードはDALI gatewayのIPアドレスあてに受け取ったmessageを送信。
3-3. DALI gatewayからDALIネットワークにDALIコマンドが送信。DALI対応のLEDテープライトが点灯・消灯する。
4-1. Philips hueのテンプレートノードには”Light on”の時は {“on”:true}、”Light off”は{“on”: false”}のJSONメッセージがおくられる。
4-2. Philips hueのブリッジから登録されたグループのhueランプへhue APIを使ってメッセージが送信され、点灯、消灯する。
といったものになります。
それがNode-RED上のフローで表すと下記のようになります。
Philips hue側もfunctionノードを使えばDALIの方と同じになりますが、とりあえず。
これを実現させる為の機器
この操作に必要な機器を紹介します。
③ Raspberry pi
順番前後しますが、iPad上の操作画面はNode-REDというツールで、そのNode-REDがこちらのRaspberry piで動いています。
④ WiFiルーター
どこにでもあるWiFiルーターです。③のRaspberry pi、① DALI gateway、② hue BridgeのそれぞれとLANケーブルで接続。操作するiPadへはWiFiでつながります。
① DALI gateway
DALIのネットワークにTCP接続でコマンドを送ることができるDALIとethernetのgatewayです。 iLumTech社のDeeBridgeという製品を使っています。
② Philips hue Bridge
写真は初期のタイプのブリッジです。これからhueの各ランプはZigBeeでコントロールされます。
結果
結果は先程の動画のとおり。
Light Onのインジェクションノードを押すとPhilips hueのランプもDALIでコントロールするLEDテープライトも同時に点灯。
Light Offのインジェクションノードを押すと、同時に消灯。
といった結果になります。
ちなみに、DALIでコントロールされているLEDテープライトはオランダのKOLEDO社の製品を利用しています。
まとめ
DALI制御はこれまでもやってきましたが、Philips hueのAPIはしばらくいじっていなかったので、考えた通りに制御できるかどうかはこれからテストが必要です。
しかし、hueのAPIはランプ1個ごとにかなり細かい色や明るさの調整ができるので、Node-RED側に点灯させたいランプのグループや明るさなどを設定することによって自由にコントロールすることができそうです。