第6回ふたつのアドレスDAPとIAP/ゼロから始めるDALI制御

DALIは64台までの器具にアドレスを振り1台ごとに制御することができるのですが、実は1台の器具が2つのアドレスをもっているのをご存知でしょうか?

それぞれDAPとIAPという名前なのですが、本日はその2つのアドレスについてご紹介いたします。

DALIにおける信号の送り方

Introduction to DALI pdf 7 26ページ

[PHILIPS Introduction to DALIより引用]

アドレスについて理解を深めるために、まずはDALIにおける信号がどのように送られているかを解説します。

DALIのコマンドは信号線を通して[Where to:コマンドをおくる対象]と[info:コマンド]の内容がデジタルデータでおくられます。

この[Where to]が個々の器具やグループなど、どの器具に対してコマンドをおくるのかを示し、[info]のところで、消灯や点灯、調光などの命令をおくります。

コマンドのサンプル その1

Photo

では、DALI学習スターターキット(拡張版)とMasterConfigratorのCommand Administratorを使いながらDALIのコマンドとアドレスについてみていきましょう。

まずはAddressing wizardをおこないDALIの最初の設定を行います。

A001

このように認識された器具が表示されました。次にToolsのメニューからCommand administoratorを立ち上げます。

A002

Command administoratorの画面では、Operating areaはallにチェック、Definitionは RECALL MAX LEVELを選択し右下の[Send command]というボタンを押します。

IMG 2875

全部のLEDが点灯しました。

これを表にするとこんなふうになります。

Where to Info
all RECALL MAX LEVEL

次に、LEDを消灯しましょう。

A003

DefinitionではOFF を選びます。

IMG 2876

LEDが消えました。

表にするとこちら。

Where to Info
all OFF

ここでCommand administratorツールの左したに表示される[Data to send]という表示をみてください。

dali

0xff05とでていますよね。

RECALL MAX LEVELの時は、0xff05、OFF の時は、 0xff00、となっていました。

これがDALIの信号線におくられるデータで、全部消灯( all OFF )のときは 0xff00、全部最大点灯( all RECALL MAX LEVEL)のときは 0xff05となります。

データのうち、ffが[Where to]にあたり全部の照明器具の意味で、00や05が[info]にあたり、00が消灯(off)、05が全点灯(RECALL MAX LEVEL)になります。

先程の表に追加すると、OFFにする時は

Where to Info
all OFF
ff 00

RECALL MAX LEVELにする時は

Where to Info
all RECALL MAX LEVEL
ff 05

となっています。

どうでしょうか、なんかDALIの姿が見えてきたような気がしませんか?

コマンドサンプル その2

次は、Command administratorツールからOperating areaで[address]のところにチェックをいれ0の数字を入れます。Definitionには、RECALL MAX LEVELを選びます。

B001

結果はこのように、赤色のLEDが点灯しました。

IMG 2877

このときのDATA to sendの値は 0x0105です。これを表にすると

Where to Info
0 RECALL MAX LEVEL
01 05

では、この赤いLEDを消しましょう。OFFにしてみてください。

B002

赤色LEDは消えましたね。

この時のDATA to sendの値を表に追加します。

Where to Info
0 OFF
01 00

先程の全部の器具を点灯させたり消灯させたりするときは、Where toのデータがffでしたが、今回は1となっていました。

では、別の器具を個別に制御すると、ここがどのように変化するでしょう?

コマンドサンプル その3

今度はAdressを1にしてRECALL MAX LEVELにしてみます。次のようにしてください。

B003

結果は緑が点灯しました。

IMG 2878

DATA to sendの値を見て表にします。

Where to Info
1 RECALL MAX LEVEL
03 05

緑を消します。

B004

表にするとこちら

Where to Info
1 OFF
03 00

次はAdressを2にしてRECALL MAX LEVELにしてみます。

B005

今度は青が点灯しました。

IMG 2880

表はこちら

Where to Info
2 RECALL MAX LEVEL
05 05

青を消します。

B006

表はこちら

Where to Info
2 OFF
05 00

最後にAdressを3にしてRECALL MAX LEVELにしてみます。

B007

6500Kの白いLEDが点灯しました。

Photo 1

表はこちら

Where to Info
3 RECALL MAX LEVEL
07 05

消灯します。

B008

表はこちら

Where to Info
3 OFF
07 00

アドレスを整理

まずは各LEDについてどのアドレスが赤や緑かなどがわかるように、Renameして名前を変更します。

それぞれについて、アドレスをまとめてみました。【Operating areaに入力するアドレス】というのが、Command administoratorで入力するアドレスで、【DATA to sendに表示されるアドレス】が、Operating areaに入力した結果表示されるアドレスです。

これをみると、Operating areaに入力するアドレスとDATA to sendに表示されるアドレスがずれています。

これはどういうことでしょう?

2つのアドレス DAPとIAP

これがDALIが持っている2つのアドレスというものです。

DALIにはアドレスをもつ一つの機器にたいして、DAPとIAPという2種類のアドレスが設定されます。

  • DAP : Direct Arc Power Control
  • IAP : Indirect Arc Power Control

DAPはDirect Arc Power Controlの略で、直接出力を制御するという意味、IAPはIndirect Arc Power Controlの略で、間接的に出力を制御するという意味です。

Command Administratorを使う場合は、DAPもIAPを気にすることなく、そのままアドレスを入力すれば、DAPかIAPのどちらにするべきかはソフト側で判断してくれて、DATA to sendのアドレスは変更してくれます。

実はこれ、コマンドの種類でどちらのアドレスを使用するかがはっきりしていて、DAPは指定した明るさで点灯しろという命令を送る場合、それ以外はIAPのアドレスを使うことになっています。

なので、最初のコマンドの説明で紹介した、OFF (消灯しろ)とか、RECALL MAX LEVEL(全点灯しろ)というのはIAPのアドレスになるのです。

まとめ

以上、DALIの機器がもっている2つのアドレスの違いについて説明しました。

今までの照明制御とDALIの大きな違いは、このコマンドで照明を制御するというところ。つまり、IAPのアドレスに送っている部分です。

指定した照明機器がどれだけの明るさで点灯するかというDAPに送る方式は、舞台照明で使われるDMXもこの形式になります。

DALIのとっつきにくさは、そのコマンドで照明をコントロールするところで、これはプログラミング(コンピューターの言語によるもの)の概念を学ぶことでより理解が深まります。

なので、これからはDALIと合わせて、プログラミングの勉強方法なども合わせて紹介していこうと思います。

この記事を書いた人

この記事を書いた人

中畑隆拓

照明制御が得意です。
Node-REDを使ってIoT機器の情報を読み込み、DALI-APIを叩いて制御しています。

今後、設備の制御はNode-REDのようなソフトウェアが中心になると実感していて、いろんなところで講演してます。

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