IoTデバイスの普及は空間で大量のデバイスが電波を使った無線通信を行うことになるため通信の信頼性を落としかねない状況を引き起こします。
また、電波は壁などを通り抜けることもあるため、建物外の第三者がIoTデバイスへアクセスしてしまう危険性もあります。
そんな、通信の信頼や危険性を解決する方法としてLiFi(ライファイ)という新しい通信技術があります。
今回、2019年3月5日から8日まで東京ビッグサイトで開催された「LIGHTING FAIR(ライティング・フェア」にて、シグニファイジャパン合同会社(旧フィリップスライティングジャパン合同会社)のブースにて展示されていましたので紹介します。
LiFiとは?
LiFiはライファイとよみ、”Light Fidelity”の略で、VLC(Visible Light Communications)とよばれる(日本語では可視光通信)技術を使った高速な無線通信手段です。
シグニファイ社のブースは西2ホール LF2030
私は初日の5日に訪問。今回もライティング・フェアはビッグサイトの西1と西2ホールで開催です。
シグニファイ社のブースは西2ホールのブース番号”LF2030″でした。
LiFiの展示
ブースの正面奥にLiFiの展示があります。
展示にはLiFiに対応した照明器具、説明パネル、ノートPCとLiFiの送受信器があります。
LiFiのシステムについての説明パネル。同じものがシグニファイ社が2月27日に出したプレスリリースで見れます。
説明によると、天井に取り付ける照明器具にイーサーネットケーブル(LANケーブル)を接続し照明器具が可視光通信でデータを送信。ノートPCにつけられたUSBドングルが光を受信、さらにPCからのレスポンスはUSBドングルにつけられた赤外線ユニットから赤外線通信で送信、照明器具にある受光部にて信号を受け、照明器具とノートPCの間で送受信を行います。
展示では機内モードにしたノートPCでYouTubeの動画をブラウザを2つ開いて再生されていました。
LiFi対応照明器具 PowerBalance gen2
展示されている照明はLiFi対応の”PowerBalance gen2″というスクエアタイプの器具。
送信は照明器具のLEDが点滅によってデータをおくりますが、PCからのデータを赤外線で受信する受光部が上のように照明器具についています。
シグニファイジャパンの担当者に聞いたところ、国内での発売は準備中とのことですが、”PowerBalance gen2”についての詳細は海外サイトにて確認できます。
PowerBalance gen2 Recessed – Philips Lighting
余談ですが、こちらの製品紹介ページからはBIMで設計を行うときに使えるRevitのファイルもダウンロードできます。LiFiは新しい技術ですが、BIM対応も当たり前のように行われていますね。
LiFi受送信のためのUSBドングル
こちらがLiFi送受信のためのUSBドングル。USBがTYPE CかマイクロUSBかを確認するのを忘れてしまいました。
手に持った感じはこれぐらい。けっこう大きいですね。
LiFiドングルでGoogle検索したところ、PureLiFi社の製品がみつかりました。こちらはシグニファイジャパン社の展示とは関係ありませんが、LiFiの端末側の部品として今後注目されると思います。
こちらは、USBメモリのような形をしていますね。
このPureLiFi社のサイトには、スマートフォンに送受信器をつけている例が紹介されています。通信が5Gになるので動画コンテンツがさらに普及するといったことをききますが、LiFiは次世代通信5Gの普及にも、エッジ側のひとつのソリューションとして期待されているようです。
LiFi-XC – Products & Components – pureLiFi – Welcome to immersive connectivity.
まとめ
日本の内閣府で進める科学技術政策”Society5.0(ソサエティ5.0)”では、”サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム”といったことを上げています。
2月にJAWS DAYSで発表させていただいた際、仮想空間と現実空間をつなぐ鍵として照明(設備)だということをお話ししました。
↓ 登壇内容はAINOWさんにすごくわかりやすくまとめていただいています。
AI/IoTで照明は「明るくする」から「伝える」設備に! -JAWS DAYS 2019 レポート- | 人工知能ニュースメディア AINOW
人工知能(AI)、ロボット、拡張現実(AR)、IoTなど、これから新しい技術が私達の仕事や生活に大きく関わってくるといわれていますが、無線でデータのやりとりをする端末が激増しデータ量も増えることで、どうしてもボトルネックになるところがでてきます。
今回、Lighting Fairでシグニファイ社が展示したLiFiという技術は、現実空間側の無線通信のボトルネックを解決する非常に重要な技術と製品になるでしょう。