Society5.0では「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム」と言われているが、なによりも提唱している内閣府が強調しているのはSocity5.0が「人間中心の社会」になるというところ。
人間はデジタル?アナログ?
私の専門分野は照明などの設備の制御。
設備はオフィスや店舗など、一般の人が見える表側にも、見えない裏側にもありますが、Socity5.0で言われるフィジカル空間(現実空間)を代表するどこにでも存在する物質的なもの、それが設備です。
Society5.0について語るとき、強引にサイバー空間(仮想空間)を「デジタル」フィジカル空間を「アナログ」と言い換えたとして、じゃあ、人間は「デジタル」と「アナログ」のどちらになるのかということを考えてみました。
その結果、「人間」は「デジタル」にも「アナログ」にも区分されない、もうひとつの要素「ヒューマン」になるのではないかと。
デジタル | 0と1で処理される要素 |
---|---|
アナログ | 連続した量で処理される要素 |
ヒューマン | 別の何かで処理される要素 |
LEDはデジタルなのか?
実は今年の2月に開催された「JAWS DAYS 2019」で、「照明はLEDになってデジタルになった」と言いました。
Society5.0到来! 商業空間や家庭などの設備がAIやIoTによって制御される未来に関係する技術
でも、正確にいうとLEDにがデジタルなわけでなく、LEDの登場によってアナログの照明という設備がデジタルと繋がりやすくなったということ。
デジタルとアナログをつなげる労力とコストが大幅に下がった
照明についていうと、時代が変化した結果、デジタルとアナログをつなげる労力やコストが大きく下がりました。
LEDの普及もありますが、それ以外にも通信環境や接続に必要な機器、操作するためのデバイスなど、以前と比べて実用的な性能と価格帯になっています。
私がおすすめするのは、DALIやKNXといったオープンプロトコルですが、1社ですべてを賄う独自の方式であったとしても、過去と比べると実現のためのハードルもコストもかなり下がっています。
ゲートウェイ
デジタルとアナログの接点となったり、異なるものを繋ぐ役割としてゲートウェイといわれるが機器あります。ゲートウェイひとつで簡単につながるもの、複数のゲートウェイをとおしてつながるものなどの差はあるにしても、デジタルとアナログをつなげることについて技術的な面ではかなり敷居が下がっています。
アナログである設備と、これからますますその存在が大きくなっていく、IoT,ロボット、AI、AR/VR、Blockchainなどは、ゲートウェイを通して技術的にいかようにもつなげることができます。
人間とアナログ、デジタルをつなげるゲートウェイは?
しかしながら、アナログやデジタルという要素であればつなげることはできるものの、人間につなげるためのゲートウェイはまだまだこれからです。
表情から感情を推測する、生体情報を取得する、脳派をレシーバーで受け取るなど、様々な方法がありますが、そのどれもが、「マトリクス」で頭の後ろにつけるプラグや、「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」の「阿頼耶識(あらやしき)システム」などと比較すると、私達の期待する【つながる】レベルには至ってないのが実情です。
Society5.0でヒューマンはどうやってデジタル、アナログとつながるか?
Socity5.0は、「人間中心の社会」。だから、人間とサイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間がどうやって高度に融合していくかがこれからのポイント。
このヒューマン、デジタル、アナログをつなぐ役割になる存在があります。サイバー空間、フィジカル空間のそれぞれと人間をつなぐゲートウェイになるロボットです。
次回に向けて
ということで、次回はゲートウェイとしてのロボットについて説明したいと思います。