DMXを用いたRGB演出の依頼を受けたので、現場での要望にnicolaudie社のSTICK-DE3というコントローラーが利用できるかどうかの検証を行います。
私自身のDMXの経験は、カラーキネティクス社のiPlayer 3でしかDMXのプログラミングはしていなかったので、他社のコントローラーやソフトは初めてです。
機材の構成
今回の案件では、コントローラー側にSTICK-DE3を使用、定電圧24VのRGB LEDのDMXコンバータとして、エイテックス社の4ch DMXレシーバ CC19を利用します。
↑ STICK-DE3
↑ CC19
CC19は設定によって3chでも使用可能なので3chモードで利用。
接続方法
DMX信号は、DMX+、DMX-、Groundの3線によって接続されるので、コントローラー側、DMXレシーバー側のそれぞれで信号が対応するように接続します。
特にLANケーブルとよばれるRJ45を使う場合は、メーカーによって入力・出力が異なる場合が多い為、DMX+、DMX-、Groundについての理解が必要です。
![KeyAssign 2020-01-03 11-19-21.jpg KeyAssign 2020 01 03 11 19 21](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/KeyAssign-2020-01-03-11-19-21.jpg)
CC19(DMXレシーバー)はRJ45ケーブルのアサインが、
1. 白+橙(DMX ー)
2. 橙 (DMX +)
3. 白+緑(Ground)
となっているので、STICK-DE3の対応する出力がこのケーブルの色になるようにします。
使用するソフト
STICKシリーズで使用できるソフトウェアはESA2(Easy Stand Alone2)、ESA Pro(Easy Stand Alone Pro)の2種類あります。カレンダーやスケジュールを使ってシーンの自動演出する場合は「ESA Pro」が必要です。
どちらも、PC(Win)とMacでソフトリリースされています。
2020/1/3に確認したところ、「ESA Pro2」がリリースされていましたが、まずはESA PROにて検証します。
機能の検証
今回は次の機能について検証します。
- 操作パネルによって色を変化させる方法
- シーンの作成方法
- 時間によって自動的にシーンを呼び出す方法
ESA PROの使い方
STICK-DE3を使うためには、ESA PROで設定をおこなう必要があるので、まずはESA PROの使い方を確認します。
おおまかな流れは
- ESA PROの立ち上げ
- Patching Fixture(器具の割当)
- Area Patching(エリアの割当)
- Groups(器具グループの作成)
- Scenes(シーンの作成)
ここまでで演出するシーンを作成し、その後、カレンダー機能とSTICK-DE3の各ボタンにシーンを割り振る「スタンドアローン」の設定を行います。
ESA PROの立ち上げ
![ESA PRO 2020-01-03 13.25.02.jpg ESA PRO 2020 01 03 13 25 02](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESA-PRO-2020-01-03-13.25.02.jpg)
ESA PROを立ち上げると、コントローラー(STICK-DE3)の接続方法を確認されます。事前にUSBケーブルでつないであるので、USB-DMX InterfaceにチェックをそのままにしてOKをクリック
![Untitled - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie 198.jpg Untitled ESA PRO Copyright c Nicolaudie 198](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198.jpg)
ESA PROが立ち上がりました。
次はPatching Fixtureといって使用する照明器具(今回はRGBのLED)を割り当てます。
Patching Fixture 器具の割当
![Patch manager 2020-01-03 13.29.29.jpg Patch manager 2020 01 03 13 29 29](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Patch-manager-2020-01-03-13.29.29.jpg)
① Add fixtureをクリック
② _genericのフォルダを選択し一般的な器具を探します
③ rgbという3chの器具を選択
![Patch manager 2020-01-03 13.33.40.jpg Patch manager 2020 01 03 13 33 40](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Patch-manager-2020-01-03-13.33.40.jpg)
① パッチを押す
② 1chから3chまでがrgbの器具1台に割り当てられました
③ OKをクリック
![Untitled - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie 198 (1).jpg Untitled ESA PRO Copyright c Nicolaudie 198 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198-1.jpg)
Groupsのウィンドウに、割り当てたRGBの器具が挿入されました。
![Patch manager 2020-01-03 13.40.52.jpg Patch manager 2020 01 03 13 40 52](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Patch-manager-2020-01-03-13.40.52.jpg)
左下のNumber of fixturesの数字で挿入する器具の台数を変更できます。今回は合計10台の器具を割当ました。
![Untitled - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie 198 (2).jpg Untitled ESA PRO Copyright c Nicolaudie 198 2](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198-2.jpg)
挿入した台数分、Groupsのウィンドウに表示されます。これはマウスで移動することも可能です。
Areas Patching エリアの割当
![Untitled - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie 198.jpg Untitled ESA PRO Copyright c Nicolaudie 198](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198-3.jpg)
新しいエリアを2つ挿入し、それぞれKitchenとBedroomに変更しました。
![Areas 2020-01-03 13.51.01.jpg Areas 2020 01 03 13 51 01](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Areas-2020-01-03-13.51.01.jpg)
Areasのボタンを押し、KitchenとBedroomに割り当てる器具をマウスで囲んで選択します。
これでArea Patchingは終了です。
Groups 器具グループの作成
先程はKitchenとBedroomというエリアを作成しましたが、その中に器具のグループを作ることができます。
まずはAreでKitchenをクリック。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie .jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-.jpg)
① グループ化する器具をマウスで選択
② グループを追加ボタン
③ グループ名はこちらで変更できます。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie (1).jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-1.jpg)
CookerとTableというグループを作成しました。
Scenes シーンの作成
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie .jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-1-1.jpg)
シーンを作成します。Scenesのウィンドウに「Scene1」がなければ、右上のアイコンをクリックしてScene1を作成してください。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie (3).jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie 3](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-3.jpg)
まずは、全部の器具が青色で点灯するシーンをつくります。
Effectsウィンドウにある「Static」というアイコンを、Timelinesのウィンドウにドラッグ&ドロップします。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie .jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-1-2.jpg)
Scene1はKitchenグループの器具全部(4台)で作るので、Groupsのウィンドウで、器具をすべてマウスで選択します。
![Static (カラー) 2020-01-03 14.45.46.jpg Static カラー 2020 01 03 14 45 46](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/f9ae0b98946b006dcc1edef660aa8f55.jpg)
カラーピッカーのウィンドウが表示されるので、青色に設定します。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie .jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-1-3.jpg)
TimelinesにあるPlayのボタンを押すとタイムラインが移動します。
![IMG_1666.JPG IMG 1666](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/IMG_1666.jpg)
すると、DMXレシーバー CC19に接続したRGBテープライトもこの色で点灯します。
![ESAPRO_TEST - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie (7).jpg ESAPRO TEST ESA PRO Copyright c Nicolaudie 7](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/ESAPRO_TEST-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-7.jpg)
Effectsには
![Static (カラー) 2020-01-03 14.45.46.jpg Static カラー 2020 01 03 14 45 46](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/f9ae0b98946b006dcc1edef660aa8f55-1.jpg)
Statics 一定の色
![Gradient (カラー) 2020-01-03 14.58.43.jpg Gradient カラー 2020 01 03 14 58 43](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/7be3899cf953bce14e7e3287ba7f4209.jpg)
Gradient 演出が流れる(順番に器具の色が変わる)
![カーブ (カラー) 2020-01-03 14.57.26.jpg カーブ カラー 2020 01 03 14 57 26](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/c0e1660bc7b0e8b5974783aff5bc0413.jpg)
カーブ (器具が点滅する)
などがあります。
カレンダー機能
STICK-DE3にはカレンダー機能があり、特定の日時や毎週火曜日の4時から決められたシーンを再生するということができます。
![Untitled - ESA PRO Copyright (c) Nicolaudie 198.jpg Untitled ESA PRO Copyright c Nicolaudie 198](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198-4.jpg)
① 左上のタブから、「Calendar」をクリック。
② 再生したいシーンをカレンダーから日時を選んでドラッグ&ドロップします。
![Trigger 2020-01-03 17.07.04.jpg Trigger 2020 01 03 17 07 04](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Trigger-2020-01-03-17.07.04.jpg)
これで、1月3日の17:07にKitchenエリアにてScene1が再生する設定となりました。
![Trigger 2020-01-03 17.13.33.jpg Trigger 2020 01 03 17 13 33](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Trigger-2020-01-03-17.13.33.jpg)
カレンダーに挿入したスケジュールをダブルクリックで編集できます。
こちらは、1月の毎週日曜日17時からKitchenでScene1を再生する設定です。
スタンドアローンの設定
![](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/001-640x360.jpg)
左上のスタンドアローンタブをクリック。
Area/Scenesから該当するエリアのシーンを真ん中の液晶ディスプレイ部にドラッグ&ドロップする。
すると、Pagesにシーンが表示される。
![](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/003-636x360.jpg)
単体使用時(スタンドアローン時)は、Scenesのボタンを押すと、設定したシーンの再生モードとなります。
![](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/002-640x360.jpg)
液晶の左右にある丸いボタンでシーンの切り替え
液晶下の四角いボタンでページの切り替えです。
![](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/01/Untitled-ESA-PRO-Copyright-c-Nicolaudie-198-5-640x360.jpg)
それ以外のボタンは、
Dimmer : 明るさを変更するモード
Speed : シーン再生のスピードを変更するモード
Color : シーン再生がとまり、真ん中のホイールでタッチした色に変化します。
まとめ
以上、STICK-DE3で設定を行うためのソフトウェア「ESA PRO」を検証し、下記の設定はできそうなことがわかりました。
- 操作パネルによって色を変化させる方法
- シーンの作成方法
- 時間によって自動的にシーンを呼び出す方法
演出シーンの再生やスケジューリング、ボタンでの呼び出し、単体での色の操作など、STICK-DE3 1台で常設の現場のDMX演出はかなり使い勝手がよさそうです。
後は新しくできたESA PRO2についても引き続き検証してみたいとおもいます。