中国広州のKNXメーカーGVS(Guangzhou Video-Star Intelligent Corp, Ltd)から新しくV50というスマートタッチパネルが発売になり、早速購入して試してみました。
今回はその検証をした様子をご紹介します。
スマートタッチパネル V50とは?
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GVSではスマートタッチパネルにはV10、V40、V50という3種以外に、3.5インチや5インチのタッチパネルなどいくつかの製品があります。
今回はGVSの担当の方からV40の特別価格情報をもらったのですが、よくよく調べてみるとV50という新機種が発売されたようで、そちらのほうがRGBのカラーパネルがあったりと、私が求めている機能があったので新製品のV50を1台購入してみました。
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改めてマニュアルを見ると、上のような縦型と、
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横型があります。GVSのサイトをみるとそれぞれ別の製品のようです。
KNX Smart Touch V50, horizontal-GVS SMART
スマートタッチパネル V50の外観
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V50の外観はこんな感じ。立ち上がりにGVSのロゴが出て、その後にこの画面になります。WarningはKNXのアプリケーションをETSからインストールしなさいと言っています。
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こちらが裏側。KNXの赤黒の信号線以外に給電端子(黄白)があるので30Vの電源供給をする必要があります。
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ちなみに、KNX Power Supplyにはこの30Vの電源供給機能があるものと無いものがあるので、KNXシステムを構築する場合はご注意ください。(写真は30V電源供給機能があるInterra社のKNX電源)
KNXでRGBのカラーパネルを探したけど見つからなかった
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実は去年、KNXをつかってRGBのフルカラー制御を行うプロジェクトがあり、上のLTECH社のDALI TYPE8タッチパネルのようなことをKNXでできるスイッチを探していたのですが、見つからなかった経験があり、GVS V50の説明でRGBのカラー機能があることを見つけ反応してしまいました。
ETSでつかってみる
では早速ETSで使ってみましょう。
ここでひとつ注意点があります。
KNXのデバイスについて、新製品についてはまだETSのCatalogにデータが掲載されていない場合があるので、KNXメーカーの担当者からproductファイル、もしくは、そのプロダクトが含まれたETSのプロジェクトファイルをもらう必要があります。
今回は、V50のプロダクトファイルをもらい、ETSのCatalogからインポートしました。
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そして出てきたデータがこちら。Applicationに”KNX Smart Touch V50/1.6″と表記されているのがV50のデータです。
確認したら、下にあるAddボタンをおしてETSのプロジェクトに加えます。
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ETSでのパラメータを確認
ETSからデバイスのParametersを表示させてみました。
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面白そうなのがこの機能。昼と夜のステータスを送ることができます。ドロップダウンメニューから日の出日の入りのを緯度経度で取得することもできそうですが、何時何分と指定することもできます。
これだと、店舗などのオープン・クローズの時間に合わせてKNXからステータスを送れるので、照明を点灯・消灯させたり、他の設備を制御したりと便利そうです。
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そして私が期待していた”Colorful strip function”というのがあります。これがおそらくRGBのLEDに関連する機能だと思われます。Enableしてみましょう。
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左側に”Colorful strip setting”というメニューが表示されました。
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あれ?なんとなく、これはV50のデバイスがカラフルに光るかどうかの設定っぽいなぁ。
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“General sensor”というメニュー。このV50自体が温度センサーを持っているので画面に表示したり、グループオブジェクトとしてStatusを出力できるようです。
スマートタッチパネル V50のGroupObjects
ではここらで、V50のグループオブジェクトをみてみましょう。
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Page1-Iconが並んでいますが、おそらくParametersで設定をすればそれにあわせたデータ・タイプのグループオブジェクトになりそうです。
Home page
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引き続きV50のParametersのメニューを確認します。
Home pageというメニューは、おそらく最初に表示されるナビゲーションメニューなのかとおもいます。これは後日検証します。
Function page
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Function pageというメニューでV50でどんな設備を制御するかの設定ができそうです。Function page1をEnableにしてみます。
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いじってみたところ、”Function of Icon1″で制御するデバイスの選択ができ、それによってグループオブジェクトが変わるようです。
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Blindを選びました。
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グループオブジェクトもブラインドに該当するものが出現してます。
InterraのComboモジュールと組み合わせてみる
前回の記事で検証したInterra社のComboモジュールを動かしてみます。
KNX Comboモジュールを使ってETSの設定とその時の挙動を確認してみた|デジタルライト(Digital-light.jp)
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ComboモジュールはShutter/Blindの設定にしました。
次に、グループアドレスをつくってみます。
グループアドレスの作成
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グループアドレスはシンプルに、0/0/1でUp/Downを作りました。これに、V50とComboモジュールのグループオブジェクトをリンクさせます。
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できました。
では、ETSからデバイスに書き込みます。
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V50のプログラミングボタンは、歯車アイコンを押すと”KNX programming”というボタンで対応します。
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と思ったら、あれ、うまくいかない。
現在の状況
GVSの方と連絡をとったところ、Firmwareのバージョンが古いかもしれないとのこと。
本日、リモートで接続してFirmwareのアップデートをしてもらおうとしたのですが、Firmwareアップデートのソフトでエラーが発生しうまくアップデートできませんでした。
KNXで新しいデバイスに飛びつくと、だいたいそのまんまだとエラーがおこり、メーカーの人にTeamViewerやAnyDeskなどのリモート接続ツールでFirmwareをアップデートするパターンがものすごく多いです。
あと、今回GVSは、FirmwareのアップデートをUSBインターフェースを使ってやろうとしていたのですが、 私の使っているKNX USBインターフェースはlong-frame telegramをサポートしているか?ときかれました。
いずれにせよ、KNXの新しいデバイスは、Firmware関連でそのまま使えないことが、他のメーカーも含めて多いので、気をつけましょう。
V50はしばらく様子ですね。