KNXを理解するには、ETSをつかってプロジェクトをつくりKNXデバイスを制御するところからはじめることをおすすめします。
私がそうだったのですが、制御の経験が無いと理論をきいただけだとなかなか頭にはいってこないので、実際にETSを使って手を動かした後に理論的なことをきくと、どの作業がどの理論に基づいたものなのかを、頭と体で紐付けしやすいです。
この記事ではKNXの設定ソフト「ETS5(イーティーエス)」を使ってKNXデバイスの設定を行うチュートリアルをご紹介します。
今回使用するKNXデバイス
まずは、今回使うデバイスの全体写真はこちら。
![IMG_2601.JPG IMG 2601](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2601.jpg)
それぞれのデバイスの紹介をします。
1. KNX Power Supply
![IMG_2602.JPG IMG 2602](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2602.jpg)
KNXのネットワークを使うために必要なKNX BUS電源です。
2. KNX USB Interface
![IMG_2606.JPG IMG 2606](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2606.jpg)
ETSというKNX専用の設定ソフトをつかって設定を行う際、PCとKNXデバイスを接続するためのインターフェースです。
3. KNX Switch
![IMG_2605.JPG IMG 2605](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2605.jpg)
KNXの押しボタンスイッチです。
4. KNX Combo Module
![IMG_2604.JPG IMG 2604](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2604.jpg)
いくつかの設備を制御するための機能がセットになったモジュールでComboモジュールと呼ばれます。
今回はブラインドと照明のOn/Offを行うアクチュエータとして利用します。
5. KNX Universal Dimmer
![IMG_2603.JPG IMG 2603](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2603.jpg)
照明を位相制御するためのデバイスです。
以上のKNXデバイスを使ってチュートリアルプロジェクトをおこないます。
Projectの作成
![04 11.42.01 (1).jpg 04 11 42 01 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.42.01-1.jpg)
ETSを立ち上げ、左上にあるプラスマークをクリックします。
![04 11.44.38 (1).jpg 04 11 44 38 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.44.38-1.jpg)
“Create New Project”というウィンドウが表示されるので、Nameを”My First Project”にして、Backboneが”TP”、Topologyも”TP”、Group Address Styleが”Three Level”になっていることを確認して”Create Project”を押します。
![04 11.50.18 (1).jpg 04 11 50 18 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.50.18-1.jpg)
これで新しくProjectが作成されました。
Building(構造)の作成
次にBuildingの作成を行います。Buildingとは実際の現場でどこにKNXのデバイスが設置されるかを表すものです。
![04 11.53.03 (1).jpg 04 11 53 03 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.53.03-1.jpg)
左側の”My First Project”をクリックして右上にある”<”をクリックします。
![04 11.54.24 (1).jpg 04 11 54 24 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.54.24-1.jpg)
すると、”Properties”のウィンドウが表示されます。先程クリックして”My First Project”はBuilding”の名前となっているので、変更する場合はこの画面から変更します。今回はこのままでいきます。
![04 11.57.03 (1).jpg 04 11 57 03 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-11.57.03-1.jpg)
次に”Add Building Parts”をクリックします。
![04 16.25.25.jpg 04 16 25 25](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.25.25.jpg)
Nameを”SmartLight”としてOK。
![04 16.26.50 (1).jpg 04 16 26 50 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.26.50-1.jpg)
Add Floorsのボタンをおして、Nameを”2F”にします。
![04 16.29.54 (1).jpg 04 16 29 54 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.29.54-1.jpg)
Add Roomsをおしてから、Nameを”TEST Room”にします。
![04 16.31.47 (1).jpg 04 16 31 47 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.31.47-1.jpg)
次はCabinetを追加します。そのままだとCabinetが表示されないので、”TEST Room”をマウスでクリックした後、Add Devicesの横の”▼”をクリックするとCabinet
,Devices, Functionsが表示されます。ここでCabinetをクリック。
![04 16.34.36.jpg 04 16 34 36](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.34.36.jpg)
Nameを”Control Box”とします。
これでBuilding(構造)は完了です。次はKNXデバイスを追加します。
カタログへKNXデバイスのデータをインポートする
今回使用するデバイスは、最初からETSのカタログに表示されないデバイスがあるので、事前にメーカーのサイトなどからダウンロードしたKNXデバイスのプロダクトファイルをETSのカタログにインポートする必要がありますので、その手順を紹介します。
![04 16.37.20 (1).jpg 04 16 37 20 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.37.20-1.jpg)
ETSのメニューから”Workplace”をクリックして、Catalogs”をクリックします。
![04 16.45.12 (1).jpg 04 16 45 12 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.45.12-1.jpg)
プロダクトファイルからCatalogにインポートするためには、”Import”をクリックします。
![04 16.46.22 (1).jpg 04 16 46 22 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.46.22-1.jpg)
ここで、Sunricher社のKNXスイッチとInterra社のKNX Comboモジュールをインポートします。
– Sunricher KNX push button.vd4 : Sunricher KNXスイッチ
– ITR504_16.vd4 : Interra KNX Comboモジュール
上記2つのプロダクトファイルを1つづつ選びインポートします。
![04 16.51.10 (1).jpg 04 16 51 10 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.51.10-1.jpg)
インポート中の表示
![04 16.52.00 (1).jpg 04 16 52 00 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.52.00-1.jpg)
“Import successful”と表示されれば無事にデバイスのプロダクトファイルがインポートされました。
![04 16.53.15 (1).jpg 04 16 53 15 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.53.15-1.jpg)
プロダクトファイルによっては、”Select Product Language(s)”の表示がでることもあります。
![04 16.54.15.jpg 04 16 54 15](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.54.15.jpg)
表示されるLanguageを選択して”Import Selected Languages”にするか、”Import All Languages”を選んでください。
KNXデバイスの追加
では、BuildingにKNXデバイスを追加していきます。
![04 16.57.49 (1).jpg 04 16 57 49 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-16.57.49-1.jpg)
① Buildingの中でTEST Roomをマウスでクリック
② Catalogのフォームに”sunricher”と入力
③ KN9551-KXX Push-button 4-gangと表示されるのでここをクリック
④ ”Add”ボタンをクリック
![04 17.00.54 (1).jpg 04 17 00 54 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-17.00.54-1.jpg)
すると、TEST Roomの中にSunricherのKNXスイッチ(KN9551)が追加されました。
今度は制御ボックスの中にいれるデバイスも追加してみましょう。
![04 17.03.07 (1).jpg 04 17 03 07 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-17.03.07-1.jpg)
① Control Boxをクリック
② Catalogのフォームに”ITR504″と入力
③ 表示された”ITR504-16Aのデバイスをクリック
④ Addキーを押す
![04 17.05.18 (1).jpg 04 17 05 18 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-17.05.18-1.jpg)
これで、TEST Room内にある”Cotnrol Box”の中にITR504のデバイスを追加することができました。
同様にして、
– 3902REGHE : Universal dimming actuator
を追加します。
![04 17.07.45 (1).jpg 04 17 07 45 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/04-17.07.45-1.jpg)
TEST Room直下にKN9551、Control Boxの中にCombo OutputとUniversal Dimming actuatorが追加されていれば成功です。
まとめ
チュートリアル1回目は、Projectの新規作成、Building(構造)の作成、ETSにあるカタログにKNXデバイスのデータをインポート、そしてKNXデバイスをBuildingに追加する作業を行いました。
次回は、トポロジーとグループアドレスの作成をしていきたいと思います。