2019年7月に大阪と東京の2会場にて開催されるコイズミ照明株式会社様の新製品総合内覧会「INNOVATIIVE LIGHTING SOLUTIONS」において、LCR(Lighting Creative Room)の展示ブースをスマートライト株式会社がお手伝いいたします。
LCRのご案内|KOIZUMI Lighting Design
スマートライトとして協力するのは「機械学習とDALIによる照明制御」です。
今日はLCRの展示ブースにご協力する技術的な部分についてご紹介したいと思います。
機械学習とは?
照明業界で活動されていると「機械学習」という言葉が仕事の中で出てくることは極めて稀なことと思いますが、これからとても良く使われる技術なので、ぜひ覚えておいてください。
「機械学習」とはすごく簡単に言うと、「これは何?」とコンピューターに問いかけると、「それは〇〇ですよ!」と回答できるように学習させる方法のことです。
昨今、AI(人工知能)が話題となっておりますが、機械学習もAIの技術のひとつです。
ちなみに、機械学習は英語でMachine Learningと呼ばれ、省略してMLと言われたりもします。
今回のコイズミ照明様の展示では、コンピューターにUSBカメラを使って物体を学習させ、ある物体とある照明シーンを紐づけ、その物体をUSBカメラに見せると紐付いた照明シーンが再現されるというものです。
この仕組についてご説明します。
ML2Scratchで機械学習を簡単に使う
今回の展示では石原淳也さんが開発された「ML2Scratch」というアプリケーションを利用して、とても簡単に「機械学習(Machine Learning)」を使います。
↓ 石原さんが公開しているML2Scratchのサイト
champierre/ml2scratch: Connect Machine Learning(TensorFlow.js) with Scratch.
ちなみに、このML2Scratchというアプリケーションは、米国のMITが開発した子供向けのプログラミングサービスScratch(スクラッチ)に、機械学習を組み合わせて使えるようにするために、石原さんが開発し公開しているものです。
Scratch – Imagine, Program, Share
ML2Scratchを使って機械学習させてみる
ML2Scratchは下記URLにてすぐに使えるので、ぜひ、この記事を読んでいる皆様も試してみてください。
まずは上のボタンを押してML2Scratchのサイトを開きます。
PCにカメラが接続されていれば、上図のような画面が表示されます。カメラがPCについていない人はUSBカメラを接続してやりなおしてみてください。
この状態で、オレンジ色のカメラのボタンをクリックします。
ボタンは1回だけでなく、何度も押してください。すると、図のように数字が増えていきます。だいたい20ぐらいになるまでボタンを押してください。
次に、ジャンケンのグーをカメラに写るようにして、今度は緑色の枠にあるカメラのボタンを押します。
これも、矢印の数字が20以上になるぐらいカメラマークのボタンを押します。
この状態で、カメラの前でグーを出したり下げたりしてみてください。
【認識】のところがグーを出したり下げたりすると変化していませんか?
グーときたら、チョキとパーもやってみましょう。
上図のようにスライドバーがあるので、ここをマウスでクリックしたまんまにしながら右の方にずらしてみてください。
先程と同じようにチョキとパーもやってみましょう。
チョキ
パー
ジャンケンのグー・チョキー・パーができたら、カメラの前で試してみましょう。
このように、グー・チョキ・パー、そして何も出していない状態で、認識のところにある色が変化するようになりましたでしょうか?
たった今、あなたは機械に学習をさせました!
今までやったことは、カメラの前で
「これは何もない状態ですよ。」
「これはグーですよ」
「これはチョキですよ」
「これはパーですよ」
と、あなたが機械に学習をさせたのです。
カメラのボタンを押すことで学習をさせたのですが、1回だとなかなか覚えてくれなかったりするので、20回ぐらい教えてみました。
これで、コンピューターは
0 : なにもない状態
1 : グー
2 : チョキ
3 : パー
という4つの状態をカメラを使って判断できるようになりました。
次は、グーが出たときに照明シーンの1を再現し、チョキの時は照明シーン2、パーの時は照明シーン3を呼びだすようにする仕組みを説明します。
コンピューターは判断結果だけを送る
先程の認識の中に数字が表示されていることに気づかれたでしょうか?
コンピューターはジャンケンの状態を認識した結果を、この数字で送ることができます。
次に必要なのは、この数字が来たときに照明シーンを呼ぶ仕組みです。
この仕組を作る方法として、Node-REDとDALIのゲートウェイを使いました。
この部分については、過去の記事でご紹介しているので、詳細については下記のURLをご覧ください。
DALIのGatewayとNode-REDを使った照明制御について
全体の仕組み
全体の仕組みを説明します。
「①USBカメラ」にて受信した映像は「②ML2Scratch」にて、それが何なのかを識別し、該当するデータを「③Node-RED」に送ります。
「③Node-RED」は受け取ったデータによってどの照明シーンを送るか判別し、それをDALIコマンドに変更して「④DALIゲートウェイ」に送ります。
「④DALIゲートウェイ」は受け取ったDALIコマンドをDALIネットワークに流し、該当する「⑤照明器具(DALI)」はDALIコマンドの通りに点灯します。
という流れです。
新しい技術は【理解】よりも【体験】が大事
以上、説明してきましたが、新しい技術は理解することよりも、「こんなことができるんだ!」という体験がとても重要です。
なのでぜひ、コイズミ照明様の新製品総合内覧会にお越しいただき、まずは【体験】をしてみてください。
* 招待状が必要なのでコイズミ照明の営業の方に問い合わせおねがいします。
コイズミ照明株式会社 住宅・店舗・施設 新製品総合内覧会2019-2020
■ 大阪:梅田スカイビル タワーウエスト3F
大阪市北区大淀中1-1-88
7月18日(木) 10:00 – 18:00
7月19日(金) 10:00 – 17:00
■ 東京: TEPIA 3F
港区北青山2-8-44
7月23日(火) 10:00 – 18:00
7月24日(水) 10:00 – 18:00
7月25日(木) 10:00 – 17:00
私は大阪は7月18日、東京は7月23日、24日は会場にいる予定です。予定は流動的なので、もし必要であれば連絡ください。
まとめ
DALIの良いところは、機械学習といった新しい技術もゲートウェイを使えば簡単につなげられること。
今後、AI(人工知能)が商業施設やオフィスなどにも当たり前のように使われる時代になると、照明制御も簡単に接続できるかどうか?がとても重要になります。
この簡単に接続できる照明制御は、今のところDALIしかないので、DALIは普及する普及しないという次元ではなく、消去法で照明制御はDALIしか選択肢がないだろうと考えています。 (*あくまでも施設照明の制御の話)
DALIは確実に照明制御の標準になります。でもそれは消去法で。
ということで、大阪、東京の会場でお会いできえればうれしいです。
では!