ETSを使ったKNXプロジェクトチュートリアルの4回目です。今回はKNXの機能の中でもよくつかわれるSTATUSの設定についてやっていきます。
KNXのSTATUSを使うとデジタルツインが簡単に実現できる
KNXではほとんどのKNXデバイスに、状態が変わった時にそれを送信するGroup Objectが備わっています。
これを利用することによって、照明が点灯している、消灯している、ブラインドが上がっている下がっている、扉が開いている、開いている、といった1bitのデータで表せるようなことや、照明が調光率何%で点灯している、ブラインドが50%の位置で開いている、など、状況を値で表すようなデータをKNXデバイスの間でやりとりすることができます。
たとえば現実の空間を3Dのデジタルデータとしてつくり、その中の設備が、実際の空間の状態とまったく同じようにするために、現実空間で照明が点灯したら3Dの空間にデータをおくり、デジタル空間の中のデータを消灯したり、現実空間でブラインドを50%開けたら、デジタル空間のブラインドも50%の状態にしたりなんてことができます。
いわゆる、設備や空間のデジタルツイン(DX)と呼ばれるものです。
KNXのSTATUSをETSで使ってみる
![05 17.15.23.jpg 05 17 15 23](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.15.23.jpg)
STATUS用のGroup Addressをつくるところから始めます。 Lightingの中に0/1/1 STATUSというGroup Addressを作成します。
![05 17.17.28 (1).jpg 05 17 17 28 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.17.28-1.jpg)
KNXスイッチのParameterでLED1を選び、”LED1 react at:”で”object”をクリックします。
![05 17.19.53 (1).jpg 05 17 19 53 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.19.53-1.jpg)
Colour for on : green
COlour for off : red
とします。
![05 17.22.06 (1).jpg 05 17 22 06 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.22.06-1.jpg)
LED1 function Statusという1bitのGroup Objectが現れますので、これを0/1/1のGroup AddressにLinkさせます。
![05 17.23.30.jpg 05 17 23 30](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.23.30.jpg)
次にComboモジュールです。
![05 17.24.24 (1).jpg 05 17 24 24 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.24.24-1.jpg)
ComboモジュールにOut1 Statusという1bitのGroup Objectがありますので、これを0/1/1のGroup AddressにLinkさせます。
![05 17.25.59.jpg 05 17 25 59](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.25.59.jpg)
Group Addressの状況はこのようになります。
KNXデバイスで確認
ETSで設定した内容をKNXデバイスにDownloadします。
デバイスの個別アドレス(Individual address)はすでに設定ずみなので、Applicationのみのダウンロードになります。
![05 17.27.45 (1).jpg 05 17 27 45 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.27.45-1.jpg)
Group Addressを選んでDownload applicationをクリック。
![05 17.28.43.jpg 05 17 28 43](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.28.43.jpg)
すると、このGroup Addressに関係するデバイスすべてに対してダウンロードが開始されます。
無事に書き込めたら、実際のデバイスを確認してみましょう。
![IMG_2622.JPG IMG 2622](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2622.jpg)
まずはボタンをおして点灯。
![IMG_2623.JPG IMG 2623](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2623.jpg)
すると、KNXボタンにあるLEDが緑色で点灯します。
![IMG_2624.JPG IMG 2624](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/IMG_2624.jpg)
消灯するとKNXボタンのLEDは赤色で点灯します。
KNXスイッチのParameterの解説
![05 17.37.32.jpg 05 17 37 32](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.37.32.jpg)
KNXボタンによってLEDがOn/Offされると、その瞬間にComboモジュールからStatusの1bitのデータがGroup Address 0/1/1に送信されます。
![05 17.34.14 (1).jpg 05 17 34 14 1](https://digital-light.jp/wp-content/uploads/2020/07/05-17.34.14-1.jpg)
KNXスイッチのStatusのGroup Objectがそのデータを受け取り、KNXスイッチに内蔵されているLEDをOnでgreen、Offでredに点灯させます。
まとめ
以上、KNXのStatusをKNXデバイスに反映させる方法について説明をしました。
KNXはメーカーが違っても、このStatusという機能があるので、設備の状態が変わったときのデータのやりとりがとても楽です。
今回はKNXデバイスの中だけでStatusの値を受け取りましたが、KNX IP Routerなどを使えば外のネットワークにStatusのデータを送ることもできるので、設備のデジタルトランスフォーメーションを実行する場合、KNXを使うと設備側に必要な機器やアプリケーションはとても楽になりますよ。