KNXには位相制御用の照明を制御するためのUniversal Dimmer(ユニバーサルディマー)というデバイスがありますが、私の偏見で、日本の位相制御用のLED照明には使えないと思っていました。
なので、KNXベーシックトレーニングの位相制御は白熱球のランプを使っていたのですが、友人にきいたところ、問題なく制御できているということで、今回改めて試してみることにしました。
フィラメントLED電球サイフォン
今回は株式会社ビートソニック社のフィラメントLED電球 サイフォンのLDF29Bやってみます。
E26ベースで白熱30W相当のベーシックなタイプです。
同時にE17ベースのLDF33も購入しましたが、E17ベースの口金がなかったので、まずはLDF29Bで試します。
KNX 使用機器
今回の検証で使用したKNX機器は下記の通り。
写真 | 機器名 | 型番 | メーカー |
KNX BUS電源 | ITR900-116 | Interra | |
KNX Universal Dimmer | 3902 REGHE | Jung | |
KNX スイッチ | KN9551 | Sunricher | |
KNX USBインターフェース | ITR901-003 | Interra |
ETSの設定:デバイス
Universal Dimmer 3902 REGHEのパラメータ
位相制御モジュール 3902 REGHEは特にパラメータを変更せずに、そのまま使用しました。
Universal Dimmer 3902 REGHEのグループオブジェクト
グループオブジェクトは、SwitchingとDimmingを使用。
KNXスイッチ KN9551のパラメータ
スイッチについては、1段目をペアで使えるようにlinked push buttonに設定。
functionをDimmingにするのと、長押しのときに左のボタンが調光アップ、右が調光ダウンになるように、Brighter/Darkerを選択。
KNXスイッチ KN9551のグループオブジェクト
グループオブジェクトも、SwitchingとRelative dimmingを使用。
ETSの設定:グループアドレス
グループアドレスは、MiddleにLightをつくり、
0/0/1 On/Off
0/0/2 Dim
として、それぞれUniversal DimmerとKNXスイッチのグループオブジェクトをリンクさせました。
結果
普通に位相制御で調光できました。
ただ、Jungの3902 REGHEは、そのままでは最低照度の設定がないので、もし、電圧を低くするとフリッカーなどが発生する場合は、調光カーブをカスタムで作る必要がありそうです。
ただし、1個ではフリッカーは感じられなかったものの、多数使われている現場によっては、普通だとわからない微妙な”ゆらぎ”のようなものも発生する可能性があるので、位相制御は事前の調査が必須になりそうですね。